限界放大生の雑記

自転車や電子工作、Roseliaなどが好きな会社人兼放送大学生のブログ

中華切削加工使ってみたレビュー(PCBWay)

今回のお話はCNC切削加工、金属3Dプリントサービスになります!!

皆さんはこういうサービスを利用されたことがありますか?

国内ではミスミMeviyやDMM.makeぐらいですが中国近辺では多くのプリント基板屋さんがサービスを展開しています。

そこで今回は以前にもスポンサードを受けたことがあり、見積もりが簡単でわりあいデザインルールがゆるかったPCBWayを利用しました。

ちなみに私はCNC、3Dプリントサービス共に初の利用となります、的外れなコメントがありましたらご指摘いただければありがたいです。

 

名刺基盤に続き本記事もPCBWayのスポンサードの元お送りします

Thank you PCBWay !!

 

 

経緯

製作を依頼したのは現在製作を進めているスーパーカブeHEVに使用するフロントサスペンションアームです。

原付のサスにアーム?と思うかもしれませんがカブのフロントショックはボトムリンク式というちょっと変わった方式なのでそんなパーツがあります。

フロントにハブモーターをブチ込むのとディスクブレーキ化の対応が純正アームでは困難だったため図面を書いて切削加工を依頼することとなりました。

 

ですが私の普段のものづくりはFusion360をこねて3Dプリントしてそれをひたすら現物合わせですりあわせていくといったやり方で今回もその方法でモデルを作ってしまったため手元に有るのは3Dプリント前提な公差もなければピン角立ちまくり、フィレットつけまくりの3Dモデルです。

それを切削しやすい2D図面に起こしなおす技能も無いので本来切削加工に使えるわけなくね?というモデルだけで加工してくれるサービスを選ぶことになりました。

素材はいくつか選べますが走行に伴う衝撃と車重をもろに受ける箇所なのでハンパな強度では身を預けられません、そのため今回は鋳鉄を選択しました。

また、車軸(モーター固定軸)の供回りを防ぐための回り止めワッシャーも製作しました。

これはアームに比べて強度を要さない&切削が困難な形状なため低価格で済む金属3Dプリントを選びました。

 

外観

細工は流々、モノを見てもらいましょう

配置が適当

自家3Dプリント品と比較

はめ合い、パーペキです!

写真で上手く伝わっているかは不明ですが最高の仕上がりです、超気持ちいい

ですが切削品のシャフト穴(キーがついてるΦ12の穴)に0.2mm程度の加工残り(?)と3Dプリント品には平面の縁に>0.1mm程度のカエリがありました、コレについて仕様かは不明です。

今回のパラメーターは下二つの切削アームが

素材:Alloy steel 4140(俗に言う鋳鉄)

表面処理:Standard (As-Milled) (Ra 125μin)(切りっぱなし、追加料金タダだったから表面の平坦度上げた)

上に三つまとまっている回り止めワッシャーが金属3Dプリントで

素材:Stainless steel 316L

色:Metallic

工程:SLM

となっています。

 

寸法精度

ノギスでの実測値をと設計寸法の差を表にまとめました。


ノギスの精度は作業者の腕に依るところが大きいので参考程度としてください、またこの数値を真に受けて「ふむふむ、外径はデカ目になるんだな、ちょっと小さめの寸法入れとこ」とかは絶対にやめましょう、一口に外径と言っても加工方法が色々あるので違った結果になるかもしれません。

許容レベルは場合に依るかと思いますが今回の組み付けでは特に困らなかったので私としてはOKです。

詳しくはないのですがSTEPファイルを出力する際に少し丸められていると思うのでこの差分の全てが加工によるものとは言えないかもしれません。

 

金額・納期

品質がすんげえ事は分かりました。

ですが皆さんの気にされるのはQCDのバランスかと思います(製造脳のみなさま)

ということで注文明細ドーン!

モザイクが想像をかき立てますね((

金額は(お安めの)送料込みで3万半ぐらいでした。

付け加えて金額によって輸入消費税及び関税が数千円かかりました、今回の配送はDHLでしたが伝票に記載の携帯番号にSMSで請求メールが来ました、今回はそこで払ってしまいましたがぱっと見詐欺と見分けがつかず危険なので配送時の支払いか配達後に送付される請求書での支払いが堅いと思います。


納期は切削品が13日、金属3Dプリントが7日(もちろん同時進行)+DHL引き渡しから配達まで5日ということで約3週間程度でした。

納期については今回注文したモノでは「即納・後回し」などのオプションは選択できず最短一択でした。

meviyでは長納期割引が流行っているようなのでそんなのもあればいいですね。

 

PCBWay × meviy × DMM.make 3者比較

サクッと相見積もりをしました。

補足すると

  • ミスミ meviy
    サービス対象外となり見積もり不能
    Fusion360から出力したSTEPファイルを食えることは確認しているので今回のデータに問題があるようです、曲面が頻出しているのが問題?
    見積もり可能なモデルではピン角や加工が困難な箇所を指摘してくれる(三者の中で唯一)
  • DMM.make 3D PRINT
    切削はできないので全て3Dプリントで
    アーム:アルミで10万円
    回り止めワッシャー:SUS316(PCBWayと同)で5000円、納期は2~3週
    単価で言えばPCBWayを凌ぐ格安です、金属3Dプリントだけであればかなり有力
  • PCBWay
    唯一アームの切削加工が発注可能
    回り止めワッシャーの単価は5200円とDMMに劣るものの3個にしても5500円程度で発注可能なため場合により最安、納期は1週と最短

比較自体が成り立たなかったとも言えますが3者の中ではPCBWay一択ですね。

meviyは図面を正確に読んでくれるので切削向けのしっかりした図面を書ける方にはありかもしれませんが今回のような3Dプリント用に作ったデータをそのままブチ込むといった使い方はできないと思った方が良いです。

DMMは3Dプリントサービスとしては良いですが国内工場とは言え納期が長いのと切削加工をまとめて頼めないのでPCBWayに劣りますね。

今回はサクッと見積もりの取れるサービスで比較した結果PCBWayに軍配が上がりましたが融通の利く加工屋さんなどとつながりのある方ではまた判断が変わってくるかもしれませんね。

 

注文方法

今から注文するぜ!になってしまった方へ

まずお手持ちのCADソフトでSTEPファイルを書き出しましょう、STLじゃダメです。

公式サイトに行ってSTEPファイルを投げれば後はなるようにしかならないと思います。

あとよろしければ私の紹介リンクを使ってください(ダイマ)

https://pcbway.com/g/gMF938

こんなんじゃわかんねえよ!って方にはこちらのnoteが参考になると思います(無断リンク失礼します)

6月は9周年セールを開催しているらしいです。

クーポンがいっぱいあるみたいなのでぜひこの機会に!!

まとめ

コネも金も無いくせにモノ作りたいヤツにはこれ一択!!

みんカラの『知り合いの町工場で溶接してもらいました』を見てスマホを投げたくなった事のあるあなた、YouTubeあるあるのどこからか出てくるCNC、果ては5軸MCを見て👎ボタンを108回押した事があるあなたにオススメできるサービスです。

正直コネと金があればもっといいやり方(そもそも設計から外注する、しっかり切削向けな図面の書き方の教えを請う)もあるかもしれません、というかそれが常道と思います、ですが居るでしょう、ここまで読んでくれた方の中には『周りにジャンル近い技術系の知り合いがいない』『ネットで教え請うのはダサい』『追っかけ趣味もやってるから金なんか無い』『ぽかぽか民宿より断然ドライなビシホ』という方々が(全ブーメラン)、そんな奴らにはコレしかねえです。

 

まあ冗談はさておき並に品質も良く多くの方にオススメできるサービスです、テキトーモデルをよしなに読んでくれるのは強いですしコストの観点でも現状敵無しと思います、『ちょっと削ってほしいな?』と思った際は見積もり無料なので気軽にモデルを投げてご検討の程を

 

 

カブeHEVはこれで無事に試走中です。

最近は少し時間が取れず進捗が芳しくないですが製作を進めていきたいと思います、またちょっとワンオフパーツが必要になったら...𝑳𝑶𝑽𝑬 𝑷𝑪𝑩𝑾𝒂𝒚...

 

 

そしてこれをネタにしたらTwitterでちょっとバズりました、あと半年はこのネタ擦ります((

このツイート、伸び方に2度ほど波があって第1波はテック系、第2波はミリオタや日本をの将来を憂慮する系の方々に響いたようです。

加工技術自体は業務用と比較して特筆すべきものでは無いですがこういったコンシューマー向けのサービスが国内にあるのは科学技術の振興へのとてつもないアドバンテージですよね、日本でも早くこういうサービスが提供されることを望みます。

 

健全グラビアコーナー

真ん中の光るオーナメントは6ドルで販売されています、ちょっと高いな

角がエッですね()
ちなみに図面上はほぼピン角ですが現品は少しRがついています、今回は許容レベルでしたが気にされる場合は都度問い合わせをしましょう

はー、エッロ
めちゃくちゃゾクゾクする形をしてるんですが図面通りです
Fusion360を頑張ってこねてたらこうなりました

ズッシリ感

重量のばらつきは0.1g以内に収まっていました。

ちょっと加工残りがあったのでドリルで除去

金属3Dプリント品は平面の縁に>0.1mm程度のカエリがありました
今回はヤスリ掛けをしましたが表面のテクスチャを活かしたまま機構部品として使いたい等の用途には向かないかもしれません。

なんかキサゲ加工みたいでカッコいい

原画

原画

組み立て